ドイツから香美町へ
2022.02.25
私が香美町にやってきたのは
ドイツに13年ほど住んでいたが、骨を埋めるならやっぱり日本!だと前々から思っていた。
ドイツのベルリンもとても良いところだったけど、都市部に住むことに対してだんだんと年々興味がなくなっていき、「自然の多い場所で暮らせたら」「そんな場所で子育てが出来たら」と夫婦で相談をして、試しにあちらこちらへも検討旅行へも行ってみたりしていた。
そんな、あるお正月の1月1日に夢を見た。
私は商店街の一角にある、事務所のようなところで商店街のおじちゃんたちとワイワイとした活気とともに仕事をしていた。
その初夢を見た年の秋に、香美町の仕事に応募して引っ越しを決めた。
今は、あの初夢は正夢だったと思っている。だってワイワイと活気のある人々に囲まれている。
色々な人の協力や、偶然なども重なって移住への道が開かれていった。
感謝。
実は、引っ越してくるまで訪れたことがなかった香美町
関東地方出身の私たちは、香美町に蟹を食べに訪れたことも、スキーやスノーボード、海水浴に訪れたこともなく、一番近寄った経験と言えば、鳥取県智頭町に移住候補地として泊りに行ったのが、香美町にもっとも接近した経験だったように思う。
山の中の智頭町で田舎暮らしを見学したせいか、現在住んでいる海の方の香住区は思っていた暮らしよりもだいぶ都会の様に思った。
蟹への謝意
仕事で時折、関東からのお客さんを連れて町を案内することがある。
かつての私もそうだったが、関東の人は蟹の前を素知らぬ顔で素通りをしている。
「あゝ、ごめんなさい!蟹の美味しさを知らないだけなんです。
関東で普通にしていたら、こんなに美味しい蟹に出会うことなんてなかったのですから。」
そんな時は、とりあえず関東を代表して蟹に謝ることにしている。
香美町で出会った日本海
引っ越してくる前の地域には、近くに海がなく次第に海が恋しくなり、よく目を瞑っては海の景色や音を想像してなんとか凌いでいた。
そして、香美町の海へ来てみて。
「全然、知らなかった!日本海がこんなに綺麗な海だったなんて!」
「なんで、今まで何も言わなかったのよー?!」
テスト前に、『私、全然勉強やってないよー。』と言っているから、てっきり同じ怠け者の志だと思っていたクラスメートが実はすごくいい点数だった時の様に、まるで信じられない綺麗さだった。
空が晴れていると、海は空を映してより青くなり、
空が曇っている日には、ゴジラかモスラの特撮を取りたくなる異様な雰囲気バッチリ。いいぞ日本海。
海沿いの保育園に子供を迎えに行くとき、綺麗な海を目に映す幸せを感じている。
だって、少し前の私は四角い空の一室で必死に海を思い出そうとしていたのだから。
神奈川の逗子という、ハイソな町に住んでいる友人によれば、逗子では季節を問わず朝、一泳ぎしてから一日を始める人たちがいるそうで。
友人も試してみたところ、朝一泳ぎするといつのまにか片頭痛も治ったと言う。
せっかく海があるので、私もやってみたい。
もし香住の海で朝から泳いでいる人がいたら、それは私かもしれない。
(※ただし浮き輪付きで)