漁師生活

2021.10.20

       

漁師になる前から海が好きだった

僕は村岡区(山の方)在住の時も実はしょっちゅう香住に行っていました。

目的は海でのルアーフィッシング。

香住区の地磯の名前や海岸線の地形を勉強しながら主に鱸(スズキ)を狙っていました。

地区の総事(地区の美化活動など)の時などにおっちゃんに話を聞いたりしながらポイントを教えてもらい、そこで獲物がヒットしたときの爽快感はたまりません。

 

香住を中心とする但馬の地磯は、無限に開拓の余地があるほど広く、深く、雄大です。

いつか「ここの地磯のことなら任せとけ」といえるくらいの熟練度を目指して修行中です。

 

写真は香住で釣ったいつかのアオリイカです
いつかのアコウ

 

舟の規模と漁の概要

僕の乗っている相生丸(あいおいまる)の船員は船頭を除いて8名。

「沖合底曳き漁」とは、ざっくりいうと日本海の沖合で、海底に沈めた網を引っ張って魚や蟹を獲る漁です。

僕はまだ1年目なので経験してないですが、荒れ狂う冬の日本海で、寝る暇もなく蟹を獲り続ける(と言われている)あの漁です。

底曳き漁は漁期が定められており、蟹漁以外の時期は魚やホタルイカ、エビなどをとります。

大ざっぱに言うと、9月〜10月はエビ、11月〜翌年3月はズワイガニ、4月〜5月はホタルイカ、ハタハタをとります。

6月〜8月は禁漁期間なので、漁は休みで、フリーターになります。

自分の転職の時期が3月だったため、天候や海の状況の比較的ゆるやかな春の漁からスタートさせてもらえることになりました。

 

4月、5月の漁を経験してみて

漁をしている最中は、正直わからないことだらけですが、冬の過酷なシーズンにむけて先輩に指導してもらいながらなんとかふんばって漁に出ている、というのが正直な感想です。

特に、漁師用語や専門用語、方言などを早口で言われたときには、困惑してしまうことが多々あります・・・(汗)

また、新人は炊事も大事な仕事なので、魚を獲る以外にも、乗組員の食事を作ることもしています。

一人暮らしの期間が長かったおかげで、自炊をしていたせいか、包丁さばきなどは先輩にほめられたりしましたが、およそ10人分の食事を漁をしながら1日4食作るのは、かなり大変です。

しかし、なるべく早く魚の下準備をしたり、なるべく簡単に作れるものを考えるなどして、毎食、毎食、時間に遅れないよう(休憩が始まった瞬間にすぐ出せないとみんなの休憩時間が減ってしまうので)怒られないギリギリの時間で出せるように、その場をしのぎ続けています(笑)

さわらの竜田揚げ

 

海しか勝たん!

ひとたび船が出てしまうと、息つく暇も無く1日が過ぎ去っていきますが、船が走っている時や獲物がたくさん揚がってきたときの高揚感はまさに「生きてる!」という実感そのもの。

何より、1番海に近いところでやりたいことをできているというのが、毎日頑張って漁に出ていける原動力です。

あと、先輩はパッと見は怖い人もいますが、話したら優しいです。過酷な仕事の環境の中でも、和気あいあいとした雰囲気で漁に臨めています。

肉体的に厳しい仕事ですが、とにかく先輩たちがいいキャラの人たちばっかり(!)で、毎日楽しいです(笑)

今後の目標

漁師に興味を持ってもらえる人が増えたら。。。とぼんやりとは考えていますが、兎にも角にも、まずは、漁師を1年間続けること。
秋以降が最も過酷で、大変だと聞いています。今シーズン(来年の5月末まで)を怪我なく終えられるよう、頑張っていきたいです。

禁漁期間を終え、久しぶりの出航に身が引き締まる思いです。
行ってきます!
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