大阪から「あの味」を求めて村岡に来たくなる、忘れられないラーメン

いっせーのーで村岡店 西村一生さん
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  • 村岡

大阪市福島区の焼肉店の中で営業していた人気ラーメン店が2022年10月に香美町村岡区にオープンしました。その名も「いっせーのーで 村岡店」。開店日にはご近所の人だけではなく、遠方からも多くの人たちが足を運びます。店主の西村一生さんは、村岡生まれの村岡育ち。大阪で6年間ラーメンの修行をし、満を持して地元村岡にお店をオープンしました。今も大阪と村岡の二拠点生活を送る一生さんと、妻の紗弥嘉さやかさんに、今の暮らしとこれまでの歩みを伺いました。

 

四季折々の風景と絶品ラーメンを味わう、村岡の古民家ラーメン店

北近畿豊岡自動車道八鹿氷ノ山インターから国道9号線沿いに車を走らせると、紅白ちょうちんとのれんがかけられた大きな古民家が目に入ります。「いっせーのーで 村岡店」は、一生さんのご実家の向かいにある古民家を改装して開店しました。引き戸を開けて広々とした店内に入ると、立派な墨書の屏風が目に入ります。

店内は広々とした空間で、テーブル席、カウンター席、座敷席にキッズスペースまで完備。窓際のカウンター席からは湯舟川を見下ろす四季折々の風景が楽しめます。メニューは、ラーメンや餃子、ごはんものはもちろん、但馬牛のバラ焼きやホルモン焼きなどの鉄板焼肉もあり、焼肉とお酒を楽しんだ後に〆のラーメンを頼むという最高の楽しみ方もできます。

提供するラーメンは、地元香美町・村岡ならではの素材を取り入れつつ、焼肉屋の間借りで営業していたころからの他にはないラインナップが目を引きます。一番人気は「ニボ牛(ぎゅう)中華そば」。ラーメンのベースは牛骨ではなく、なんと牛スジ。牛スジに煮干しをあわせたスープは、一口飲むと和牛の旨みが広がり、甘じょっぱさとコク深さがクセになります。それでいてどこかあっさり感もある、のどごしの良さが魅力のスープです。

(ニボ牛中華そば 税込み900円)

たっぷりの牛スジと大きめに切られたネギが食べごたえ抜群。つるっとした食感の麺にスープが絡んで箸が止まらなくなります。

香美町ならではのラーメンが食べたい!という人に人気なのが「香住カニ白湯(ぱいたん)ラーメン」。その名の通り、香住のカニのエキスをたっぷりと使い、アオサやナルトも入った海の香りがたっぷり感じられるスープが魅力です。一口飲むとカニの柔らかい甘みある出汁の風味が広がります。

(香住カニ白湯(ぱいたん)ラーメン 税込み950円)

厚みのある豚バラ肉と柔らかくあっさりした鶏胸肉の二種類のチャーシューがトッピングされ、あっさりしているのにボリュームもたっぷり。本物のカニを使った贅沢なラーメンスープは、お客様からの評判も上々です。

 

大阪と村岡・二拠点生活で地元の魅力を広める

大阪市福島区で人気だったあの味が、香美町村岡で食べられると評判の「いっせーのーで 村岡店」。大阪から高速を乗り継ぎ2時間半かけて来店したり、バスツアーを利用して来られたりと、前のお店からの熱烈なファンの方も訪れ、営業日は大いに賑わいます。なぜ、一生さんは人気だった大阪のお店を閉め、地元村岡で新しくお店を開いたのでしょうか。

(右 西村一生さん 左 紗弥嘉さん)

村岡で生まれ育った一生さんは、大学卒業後、地元で就職。同年代や自分より年下の世代がどんどん減っていく現状に危機感をもち、またお世話になった地元の人達にお礼をしたいという気持ちから、いつしか「自分のできることで、この地元を盛り上げたい」と志すようになりました。ラーメンの食べ歩きが好きだった一生さんは、「自分の好きなラーメンだったら地元に恩返しができるかもしれない」と思い立ち、慣れ親しんだ地元を離れてラーメン修行のため大阪へ。6年間修行する中で、一度もふるさとのことを忘れたことはなかったと言います。

修行先のお店で紗弥嘉さんと出会い、結婚。いつか村岡で自分の店を持ちたいという夢に向かって二人三脚で進み始めました。やがて新装開店の焼肉屋さんにアルバイトに誘われ、お二人の志を知っていたというオーナーから「半年間焼肉屋の昼ごはんとして、自分たちのラーメンを出してみないか」と声がかかります。それが、福島区で人気だった「いっせーのーで 福島店」の始まりです。半年間、お客様の反応を間近に感じながら、地元の食材で作ったラーメンで地元のPRもして、気に入ってくださった方にはぜひ村岡に来てもらいたいと、楽しく懸命に営業してきました。また、地元村岡での開業準備も並行し、物件を探し始めたちょうどのその時。実家の向かいの大きな古民家が空き家バンクに登録されるというタイミングにも恵まれ、開店準備は順調に進みました。地元の人から「よく帰ってきてくれた」「がんばってよ」と温かい声援を受けたことは、一生さんたちの大きな力になりました。

2022年10月末に村岡店をオープンし、月曜から土曜の昼までは福島店で、土曜夜と日曜日は村岡店で休みなく営業してきました。福島店は惜しまれながらも2022年末で閉店となりましたが、2023年春からは村岡店の営業日を金曜、土曜、日曜に増やしました。そして現在も平日は大阪の焼肉店で働き、週末は村岡店を開けるという二拠点生活を続けています。二拠点生活を続けているのは、地元のPRも兼ねてのこと。週末に村岡に来て貰える人を増やすため、平日は阪神間に向けて村岡での活動を伝え、阪神間の多くのお客様が村岡に来てくださることを目標としています。大阪府大阪市で育った紗弥嘉さんは、「もともと田舎というものが自分になかったので、田舎ができたのがうれしい。子どもにも、平日は都会で、休日は田舎でのびのび遊ぶという、いい経験をさせてあげられているかなと思います」と、この生活に前向きな様子。休みのない、忙しい毎日ですが、村岡をもっと盛り上げるため、夫婦二人三脚で取り組んでいます。

「美味しかった、また来るよ」の言葉をもらえた時が一番嬉しいと話す一生さん。「いっせーのーで 村岡店」そして村岡、但馬を盛り上げるためにまだまだやらないといけないことがあるとのこと。アーティストを招いて古民家ライブを開催したり、地元の子供会のクリスマス会にラーメンを提供したりと、単なる「ラーメン屋さん」の枠を超えた活動も展開しています。「村岡の良さはやっぱり人が温かいところと、四季折々を感じられるところ。何もないと思えるようなところが、逆に良さだと思っています」。村岡に一人でも多くの人が来て、「良さ」を肌で感じてもらえるよう、一生さんたちの挑戦はまだまだ続きます。

※いっせーのーで 村岡店は冬季休業中。再開は2024年4月20日(土)の予定です。2024年の営業は土曜日、日曜日、月曜日の祝日、 GW、お盆休みの夏季営業を予定しています。

 

 

  • 店名
    いっせーのーで 村岡店
  • 営業時間
    土曜日、日曜日、月曜日の祝日 GW、お盆休みの夏季営業を予定
  • TEL
    090-9760-2124
  • 所在地
    兵庫県美方郡香美町村岡区日影710
  • instagram
    https://www.instagram.com/issei.no_de0516/
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