贅沢な時間が過ごせる小代に、人が集まるゲストハウスを

スミノヤゲストハウス 田尻茜さん
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都会で生まれ育った女の子が、ひょんなことから小代に。四季折々の小代を体感するうちに「いつか暮らしてみたい」と思うようになり…。数年後には移住、そして小代の男性と結婚、民宿だった空き家を改装して「スミノヤゲストハウス」をオープン。小代に出会い、小代を満喫する田尻茜さん(旧姓:北田さん)に、小代との「馴れ初め」をお伺いしました。

(スミノヤゲストハウス 外観)

 

「4回だけ」のつもりで訪れた小代が「いつか住みたい場所」に

 

茜さんは大阪生まれの神戸育ち。特に田舎暮らしに憧れることもなく、都会っ子らしく成長してきました。そんな彼女が小代に出会ったのは大学生の時。観光学科で学んでいた頃、「香美町の小代というところに年4回行く」という一風変わったゼミのカリキュラムに出会います。「4回行くだけで単位がもらえるなら良いかなと思って」気軽な気持ちで初めて小代を訪れたのが、人生のターニングポイントとなりました。

棚田が広がる風景が美しく「日本で最も美しい村連合」にも加盟している小代。春は桜や菜の花がカラフルに色づき、新緑、紅葉、雪景色…、来る季節ごとに新しい表情を見せる小代に茜さんは惹かれました。

(スミノヤゲストハウスの大きな窓から見える、小代の棚田の風景・5月)

 

「環境の良い村は日本中の色んな所にあります。住んでみたいなと思えたのは、何度も来ることで小代の人と知り合うことができたから。知り合いが増え、小代にどんどん愛着が湧いていきました」

学生時代から茜さんが関わり続けているのが「俺たちの武勇田(ぶゆうでん)」。週末、美しい棚田の風景を守るために地域内の棚田で米作りをする有志の団体です。地域の方に農業を教えてもらいながら取り組む、同じ志を持つ若手の方とのつながりも、茜さんが小代を好きになった理由でした。

(武勇田で活動中の茜さんの様子)

 

地域おこし協力隊から、夢のゲストハウス構想へ

大学卒業後、一度は大阪で就職したものの、小代のことが忘れられなかったという茜さん。そこに入ってきたのが香美町の地域おこし協力隊募集の情報でした。「これはきっかけだ」と直感的に感じ、2ヶ月後には小代に移住。学生時代から知っていた地域の方に相談し、住むことになったのが現在「スミノヤゲストハウス」を運営する物件でした。

「一人では持て余すくらい広くて、でも地域おこし協力隊の活動をしながら、この場所で何かできないかなと考えるようになりました」

 

(スミノヤゲストハウス ダイニング)

 

地域おこし協力隊の任期は3年。でも3年後もその先も小代で暮らしたい。そう考えた茜さんはふと大学時代のことを思い出します。

「ゼミで来ていた頃にも、空き家を借りて拠点にして小代を回っていました。拠点を作ることで人と知り合えたし、村の中にも入っていけて、小代を好きになった。自分もそういう場所をつくることができるかなと」

地域おこし協力隊として関わったのは「木の駅プロジェクト」。美方郡全体のプロジェクトだったこともあり、香美町だけでなく新温泉町の知り合いも増やすことに尽力しました。

「ゼミでお客さんとして小代に来ていた頃と違い、住んでからは地区の仕事もしないといけないし、頼ってばかりじゃなくてこちらもお役にたてるようになりたいと意識が変わってきました」

(スミノヤゲストハウス 寝室)

夢でもあるゲストハウスは、小代に人が出入りしやすくなるための拠点であり、地域のためにできることの一つではないか。そう考えた茜さんは、知り合いを増やしながら自分の思いや夢を伝えることに時間を使いました。

「地域の飲み会も大切にして、会議にも参加して、地区のおばあちゃんたちにいろんなことを教えてもらって。地域おこし協力隊の3年間は、自分を知ってもらうための営業活動の期間でもあると考えて活動しました」

(ある日の朝食。お客様との協同調理で食事をご用意します)

 

「何もしない」贅沢を楽しめるスミノヤゲストハウス

 

ゲストハウス構想をいざ形にするときには、地域の方が集まるサロンにプロジェクターを持ち込み、構想や思いをオープンに説明。茜さんの思いが地域の方にも届き、ゲストハウス改装のためのクラウドファンディングを開始したときには、「インターネットはよくわからないから」と直接茜さんに支援金を手渡しされたこともあるなど、多くのバックアップを受けました。ゲストハウスの改装は「畳を貼るイベント」「床を解体するイベント」などイベント形式で多くの方に協力して貰う形で進め、関わる業者の方も小代で昔から親しまれてきた方ばかり。2019年4月、晴れて「スミノヤゲストハウス」がオープン。大型連休には家族連れや海外からのお客様など、多くの人が訪れました。

(スミノヤゲストハウス プレオープンパーティの様子)

 

「特別なアクティビティがないぶん、絶景を見ながら何もしないという贅沢な過ごし方ができるというのが魅力だと思います。ごろごろしたり、漫画を読んだり、縁側で猫を触ったり。日々忙しくされている方がお休みを満喫できる場所です」

 

(お客様に愛される看板猫 ヨシコさん)

今後は海外のお客様に向けて小代の食材を使ったヴィーガンメニュー(菜食主義者に対応したメニュー)の開発や、小代にまだたくさんある空き家を使ったプロジェクトなど、夢や構想が膨らむ茜さん。小代だからこそもっとできることがあると、日々精力的に過ごされています。

 

  • 店名
    スミノヤゲストハウス
  • 構造
    構造 8畳のお部屋をふすまで仕切った2部屋。男女別ドミトリー。共同調理。
  • 営業日
    金・土・日・月
  • TEL
    080-6122-4014
  • 所在地
    兵庫県美方郡香美町小代区貫田197
  • 宿泊料金
    6,000円/一人 朝夕の食材費込
  • web
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