女の子目線の雑貨、ブライス人形、地域の内外に「可愛い」を発信する店

JUNK★ 久保かおりさん
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JR香住駅すぐ近くにある、色鮮やかな雑貨のお店、「JUNK★」。お店では様々な雑貨のほか、駄菓子の取扱もあり、夕方や週末は地元の小中学生、高校生で賑わいます。また、ブライス人形など独自の取扱商品が呼び水となり、遠方からのお客様も多いというこのお店。オープンしたのは、香住にUターンしてきた久保かおりさんです。

大阪から香住へ、ガラリと変わった子ども時代の暮らし

かおりさんが幼い頃暮らしていたのは香住ではなく、大阪府でした。香住で暮らし始めたのは小学校高学年のとき。香住に来て日常の生活に大きな変化がありました。

「大阪では、友達と公園に行ったり、買い物に行ったりすることが遊びの中心でした。香住に来てからは、海を見ながら友だちとゆっくり話すことが中心になり、放課後の過ごし方が大きく変わりました」

小学校が同じだった友達とそのまま一緒に中学校に進学し、高校は地元の香住高校へ。当時の水産食品科で魚や船舶のことなどについて学びました。高校卒業後は香美町内の就職先が少なかったため、県外に出て、アパレル関係、雑貨屋さんを始めとした様々な職種を経験しました。

帰郷を考えた当初は、雑貨屋さんを経営する計画はありませんでした。ブランド雑貨のネット販売を計画し、そのための拠点となる場所を探していたところ、現在「JUNK★」がある物件に出会います。

JUNK★ 店内の様子

「ここだったら好きな雑貨を揃えてお店ができると思いました。でも、日常的にお客様が来てもらえる場所にもできたらと思い、お店の半分を駄菓子屋さんにすることにしました」

電車通学の高校生や遠足前の子どもたちで賑わう駄菓子コーナー

香美町に駄菓子屋さんが復活したのは25年ぶり。子どもたちはもちろん、かつて香住にたくさんあった駄菓子屋さんを懐かしむ大人からも喜ばれました。

地域内外から人が訪れるワクワクを詰め込んだお店

「JUNK★」がオープンした2016年から2年。普段は地元の子供達が『ワクワク』を見つけに来るスポットとして愛されています。遠足のときのお菓子はもちろん、小学生がお小遣いを握りしめて買い物に来ても十分手が届くようなアクセサリーや文房具、雑貨がたくさんあり、お友達の誕生日プレゼントを選びに来る子どもたちもいます。

子ども向けの可愛いアクセサリーや文房具の取扱も

「今の子どもたちはYouTubeを見て流行をキャッチしています。『YouTubeでやってたあの雑貨おいてる?』と言ってお店に来たり。なので、普段からSNSを活用して情報を集め、お客様に『ワクワク』してもらえるものを取り揃えています」

コレクターの多いカプセルトイなどは、入荷すぐに品切れになってしまうことも。熱心なファンの多い商品は、遠方からもお客様が訪れます。その一方で、地元の子ども会や学校のイベント用にお菓子の詰め合わせを作って欲しいという依頼を受けることもあるなど、地域から求められる商品づくり行っています。オープンから2年を振り返り、かおりさんは起業という面での香美町をこう評します。

「ただ流行っているからとか、都会にあるからというだけでは難しいかもしれませんが、特色のあるお店であれば、香美町はライバルも少ないし、始めやすい場所です」

話題性の高いカプセルトイは、行列になることも
アクセサリーは子ども向けのものから大人向けのものまで。ハンドメイド品も多くあります

その言葉の通り「JUNK★」には、流行のアンテナに敏感であること以外にも大きな特色があります。

ブライス人形、女の子目線…独自のコンセプトが人を引きつける

「JUNK★」のメイン商品とも言えるのがブライス人形。大きな頭が特徴の着せ替え人形で、紐を引っ張ることで瞳の色が変わるなどのしかけもあります。リカちゃん人形との互換性があるためリカちゃん用の服も着せ替えでき、また人形のカスタマイズもできることから、大人を中心とした愛好家の多い人形です。

JUNK★店内に展示中のブライス人形の一部

関連グッズから取り扱いが始まり、現在では人形本体や洋服も多数取り揃えており、ハンドメイド作家の方が作ったブライス用の洋服の委託販売も行っています。

リカちゃん、メルちゃん、ブライスなどのハンドメイド洋服がたくさん

特色ある品揃えが話題になり、県外等からもブライスファンの方が多数ご来店されます。特設の撮影スペースで手持ちのブライス人形の撮影をする方も多いのだとか。

手作り家具などを取り揃えた撮影スペースで、香住ならではのコスプレ写真も

その他の雑貨など取扱商品は「女の子目線」を大切にセレクト。キラキラしたもの、個性的でポップなデザインのもの、小さな女の子から大人の女性まで思わず手に取りたくなるような雑貨がぎゅっと詰まっています。

ブライス人形グッズも人気

「かわいいは世界共通。海外からのお客様も、土地ならではのお土産という感覚ではなく『かわいい』で買っていただけることが多くあります」

失敗を恐れて悩むより、自分のやりたいことをやって失敗してから悩んだほうがいいと語るかおりさん。まずピンときたことを行動に移し続けて、いまの「JUNK★」ができあがりました。これからも、母娘で来て2人とも「女の子目線」で楽しんでもらえるような場所になればと願っています。

 

JUNK★店主 久保かおりさん
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