スタバ女子が香美町でたどり着いたのは「無いことを楽しむ心」

宮路 楓さん
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  ドラマチックな決断

「都会生まれ、都会暮らしの若い女性が、一度も訪れたことのない田舎に1人っきりで移住」・・・まるでドラマのような話ですが、今回はそんな女性のご紹介です。

西宮生まれの西宮育ち、スタバとコンビニの新作が大好きな学生だったという「宮路 楓」さん。

卒業後の就職先を探していた際に、たまたま見かけた香美町の「香住」の文字。「え、香住って地名?香住ってどこ?但馬?え、同じ兵庫県なん?」という素朴な疑問から始まり、バイト先の店長と香美町神戸営業所の職員さんが仲良くて「行ったことないけど、なんか面白そう」という軽いノリから移住を決意。肝心の就職活動も「え!何これ!螺旋階段のついた社宅!おー!なんて魅力的!」と、(株)トキワに即決!

( 宮路さんを即決させた素敵な社宅 )

 

「私、昔から誰にも相談無しに1人で決めて行動してしまうことが多くて…。今回も親にはほぼ『事後報告』でしたね…」と、驚きの直感力と行動力を兼ね備えておられます。ご両親からは「大丈夫?」と心配され、友達からも、「『えーっ!みんな都会に行くのに、なんであんたは逆なのぉ?』という反応でしたね〜」。

ひと昔前までは、都会へ出ていくことがステータスのようでしたが、最近は都会の生活にさほど関心を持たない若者も増えてきているようです。宮路さんもその中の1人なのでしょう。( 初めて香住を訪れた日も岡見にたどりついてお茶を飲んだそう )

 

無いことを楽しもう

2018年5月、最終面接で初めて香住に向かった時のことは鮮明に覚えているという宮路さん。「2両編成の電車に乗って、初めて香住に向かった時はワクワクドキドキでした。香住が近くなるにつれ、車窓から見える景色に『3階建て以上の建物がなくなってく〜』って思って不安でした。香住に着いてからは、おぉ…ホントに何にも無い〜って。」

移住してきたのは2019年3月。「住み始めてからはとにかく戸惑いの連続でした。お店が少ないので『服ってどこで買うんですか?』とか、会社の先輩に失礼な質問をしたこともありました。でも、移住1年目の夏に『あ!そうか!無いことを楽しめばいいやん!』って悟った時に「そっか!こっちでやれることは、西宮ではあり得ないことばっかり!」って気づいたんです。

( 小代区にある吉滝で滝の裏側を体験 )

奈良公園に行かなきゃ会えないと思ってた鹿にもいつでも出会うし、黒ウサギやキツネにも会えました。会社の先輩と普通に小代の川で川遊びしたり、ハタハタが道端で干してあったり、イカがくるくる回ってるのを目撃したり、家で茹でたての香住ガニを食べて甲羅酒を飲んだり、ホントに食べ物は美味しいですよねぇ〜!そう考えるとどんなこともすごく楽しく思えてきました。ホント、いい意味で田舎をナメてましたよ」

取材中、あんなことも!こんなことも!と、どんどん出てきて話が尽きない宮路さん、香住の魅力を満喫しておられるのが伝わってきます。

( 船釣りで高級魚「アコウ」を釣り上げた )

 

仕事を通じて

宮路さんが就職を決めた (株)トキワさんは社宅だけではなく「べんりで酢」や「梅ごこち」「城崎ビネガー」などの「商品」で全国的にその名が知られています。また香美町の中でも(株)トキワさんのように100名近くの従業員を抱える企業は数少なく、その中でも特に移住者の定職、定住を積極的に推進する会社で知られています。

現在、営業部営業課に属する宮路さん「私、営業がやりたかった訳ではないんです。人と話すのもホントは苦手で…」「でもこの会社は製造現場で3ヶ月間みっちり研修する制度があるんです。その研修で、製造のしんどさをしっかり体験したことが、今になってお客様に商品を大事に扱って欲しいという思いに繋がってたりしてますね。でもここだけの話、ぶっちゃけ、私、お酢って苦手なんですよ……」!!驚きの告白です!

 

これからもずっと

 「(株)トキワの先輩方や町の人たちはとても優しくて、ホントに住んで良かったなって思います。多分これからもずっと香住にいるんじゃないかって思ってます」

「この前帰省した時に、宝塚インターを降りた時『懐かしい』という感覚でした。次の日、香住インターを降りた時に『帰ってきた!』って思いました。いつの間にか『ホーム』に戻ってきたと感じるようになってましたね〜、自分でも驚きです」

移住してきても数年で帰郷していく方も少なくない中、とても柔軟な発想の持ち主であり、行動力のある宮路さん。何事にも前向きで、昔からみんなに可愛がられる性格なので地元に馴染むのも早いようです。これからも楽しみなことがきっとたくさん訪れることでしょう。

取材場所 レンタルスペース岡見 https://www.facebook.com/rentalspace.okami/

< 著者:香美町町民ライター 池本 大志 >

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